インフルエンザ予防接種。いくつになってもするべき?

インフルエンザの予防接種は子どもや現役で働く世代が行うものという認識がある方も多いでしょう。
しかし、インフルエンザの予防接種はもともと高齢者を対象にしたものなので、集団で生活する老人ホームの入居者もしっかり予防接種を受けた方が望ましいです。
今回はインフルエンザの予防接種についてご紹介します。
■高齢者がインフルエンザにかかると危険

インフルエンザは若い人でも最悪死を招く危険性があるものですが、高齢者の場合は子どもと同様に重症化しやすいです。
なので、それなりに医療体制が揃った老人ホームへ入居していても、インフルエンザの対策はしっかり取っておきましょう。
高齢者の場合、発熱や関節痛などインフルエンザの特徴的な症状があらわれにくく、微熱や呼吸器の症状が目立ちます。
特に慢性呼吸疾患や慢性心疾患、腎機能障害、代謝性疾患、免疫機能不全、糖尿病などを持つ高齢者は重症化しやすいのです。
さらに、高齢者は肺炎などの合併症により死亡してしまうケースも珍しくはありません。
老人ホームでは免疫力の低下している高齢者が多く入居しているので、1人が感染してしまうと、集団感染で甚大な被害を与える可能性があります。
それを防ぐ意味でも、老人ホームの入居者は予防接種が必要だと考えられるでしょう。
■予防接種で完全にインフルを防げるのか

高齢者の場合、予防接種の効果は約34~55%と言われています。
一般的に現役の世代は効果が60~90%程あると言われており、高齢者の場合は効果が薄いと思われるでしょう。
しかし、インフルエンザによる死亡リスクは、予防接種を受けたか受けないかによって大きく変わります。
予防接種を受けた高齢者の方が、死亡リスクが約80%も軽減される効果が報告されているのです。
なので、発病の効果は一般よりも劣るものの、死亡リスクを大幅に抑えるという効果に期待できるので受ける価値は十分にあります。
■老人ホームの入居者が予防接種を受けるには?

老人ホームの場合は医療保険に適応していないため、老人ホームのスタッフなどがインフルエンザの予防接種をすることはできません。
なので、老人ホームの入居者は外部の医療サービスや医療機関で接種を受けることになります。
また、ワクチンは5ヶ月程効力が続くので予防接種は1回でも構いませんが、2回受けることが望ましく、1回目は自治体により助成金が出て低価格で受けることが可能です。
効力を発揮するまで約2週間かかるので、流行期よりも早く打ち、必要に応じて2回打つようにしましょう。

このように、老人ホームへ入る高齢者もインフルエンザにより死亡リスクや重症化を防ぐため、他の入居者への予防対策として予防接種が望ましいです。
ただし、卵アレルギーのある方はワクチンの接種により赤みや腫れが生じるケースが多いので、打つ場合は医師との相談が大切です。
インフルエンザは時に命を脅かす存在なので、老人ホームへ入居されている高齢者も毎年予防接種を受けましょう。

 

注射

相談する
お問い合わせ