抜くのは忍びないけど…。残った歯が危険になる場合

皆さんは、「残根(ざんこん)」というものをご存じでしょうか?
残根というのは、もともとあった歯が虫歯や何らかの原因で溶けてしまい、歯ぐきの中に取り残されてしまった歯根の部分の事を言います。
老人ホームで暮らす高齢者にとって、この残根が残っていると危険なリスクが高まる原因となります。
■老人ホームの入居者に残根があると危険…!?

老人ホームに暮らす高齢者の中でも、残根を残している理由は人それぞれですが、一番大きな理由は「いつか治そうと思っている」ということでしょう。
老人ホームの高齢者たちも「歯の根の部分は残っているのだから詰め物やかぶせ物などで、いつか歯を治すため」に残しているという人が多くいます。

しかし、残根というだけでもかなり深刻な事態になっているため、もし治療でどうにか出来たとしても歯としての寿命はかなり短いものであると言えるでしょう。
また残根の表面には歯周病や虫歯の原因になる細菌が付着しています。
最悪の場合、その菌たちが既に他の歯に悪さを始めているかもしれません。
そして何からの理由で、老人ホームのほかの利用者に細菌を移しかねません。
ですから、痛みがないと言っても残根を見逃しておくわけにはいけないのです。
■残根の治療方法

・残根にかぶせものを付ける
残根になると歯の神経が生きていることの方が珍しいです。
ですから、歯があった場所に土台を作り、新しい歯を作るのが一番適当な方法でしょう。

・入れ歯の柱となって貰う
通常入れ歯の柱となるのは歯ぐきなのですが、固めて入れ歯の土台になって貰えば、入れ歯の安定感が増します。

・抜歯
残根の値が短い・ひび割れている・残根によって虫歯の進行が早いなどといった場合には、残根が埋まっている歯ぐきが炎症を起こしている場合が多いです。
こういった場合は後々のリスクのことも考えて早めに抜歯してしまうのも良いでしょう。

・そのまま保存
老人ホームに暮らす年齢の高齢者は投薬や身体的理由によって、残根の治療や抜歯のリスクが高まる場合があります。
無理に抜歯をしなくても良い場合はそのまま保存して、老人ホーム側で見守りを続けるのが良いでしょう。
■残った歯が気になる場合

1度歯の病気にかかってしまったら、老人ホームに住んでいようと歯医者さんでの治療を余儀なくされます。
痛くないから大丈夫・普通に老人ホームで生活が送れているから大丈夫と思っても、その後にとても大きなリスクが隠れていることがほとんどです。
本人や家族ではなかなか気付かない場合もありますので、病院の医師や歯科衛生士、老人ホームのスタッフなどが気づいてあげることが重要なのです。

 

歯

相談する
お問い合わせ