入居者が老人ホームで毎日とる食事は、医師や栄養士の指示に基づいて調理師が調理して作っています。
バランス良く、そして食欲をそそるように工夫されているのですが、中には好き嫌いが激しかったり、偏食傾向のある利用者もいます。
そんな利用者に対して老人ホームでは食事の管理をどのように行っているのでしょうか。
■野菜嫌いな人が多い高齢者への対応
野菜が嫌いだという人は、色や形を見ただけで食べることを拒否してしまいます。
しかし、老人ホームでは毎食必ず野菜(特に人参や大根など)が献立の中に入っていることが多いです。
従って酢飯に混ぜて食べてもらうようにしたり、歯ごたえを無くすために蒸して柔らかくする調理方法で配膳したりしています。
「酢飯に混ぜる」というのは高齢者はお寿司が好きな方が多いというのと、唾液が出にくいため酢飯にすることによって喉を通りやすくさせることができるからです。
また、色を目立たなくするために野菜を細かく切ってお好み焼きにしたり、卵焼きの中に混ぜたりします。
このように老人ホームでは、野菜嫌いな方でも献立に工夫をこらして入居者に喜んで食べてもらうように考えらながら献立作りを行っています。
■本人の希望に沿った個別対応の食事づくり
入居者の方の好みや調味料の使い方などを家族や本人に直接聞いて参考にしている老人ホームもあります。
調味料の加減や材料の切り方などによって食事の摂取量が減ったりするので、こだわりを聞いて喜んで食べてもらうように、入居者一人ひとりに合わせて対応している老人ホームも見られます。
味や食材も、入居者の体質や持病などによって食事内容を変えているので事前に相談しながら食事を進められるようにしています。
その日の体調や症状も人それぞれなので、症状に合わせて対応することにも配慮しているのです。
■選べるメニューを提供している老人ホーム
入居者が毎日美味しく楽しく食べやすい食事をとってもらうために、その日の気分に合わせて選べるメニューを提供している老人ホームがあります。
通常メニューの他に栄養バランスをしっかり考慮したメニューを作ることによって、入居者本人の好きなメニューを選ぶことができます。
メニューの種類や内容は老人ホームによって違ってきますが、麺類やごはん、特別メニューなどバラエティ豊富なものが揃っているので食事の時間が楽しみになるでしょう。
噛んだり、飲み込んだりするのが困難な方のために「ソフト食」を導入している老人ホームもあります。
見た目は一般的な食事とあまり変わらないので、目で食事を楽しむことができます。
このように老人ホームでは食事に関する配慮が大きいため、入居者や家族の方も安心して入所することができるでしょう。