老人ホームとは、ただ単に安心して暮らせる場所で終わらせるのではなく、人生の終盤を彩る大切な空間にしなければならない、そんな思いを持つ建築デザイナーは意外にも多くいます。
遂には、グッドデザイン賞をとるほどの老人ホームも最近は出てきています。
良いデザインは生活する人の心さえも明るくしてくれる、そんな洗練されたデザインで入居者の生活を支えている老人ホームを、ランキング形式で紹介していきます。
・第3位「有料老人ホーム ラポート」
大阪府泉佐野市にある、病院併設型の施設です。
人とのふれあいを基本理念としているこちらは、地域密着型で手助けする人も、もちろんされる人も気軽に利用ができるサービスを心掛けています。
戸建住宅が並べられたような外観は、ただ見ただけではそこが老人ホームだとは気付かないほどおしゃれで、洗練された施設となっています。
それなのにどこか懐かしい質素なイメージなのは、まるでリゾート地のコテージのような落ち着いた木の造りだからなのかもしれません。
・第2位「特別養護老人ホーム かるべの郷さざんか」
兵庫県にある、指定介護老人福祉施設です。
生活の健全性と、精神的な安らぎが得られるようなホームづくりに取り組んでいます。
こちらの施設は周囲を自然の山々に囲まれていますが、その外観はまるで老舗の高級旅館です。
旅館のようでありますが、中はもちろん広々とした空間が設けられていて、広いバルコニーから明るい日光を受けることもできます。
・第1位「介護付き有料老人ホーム 新(あらた)」
栃木県にある、病院併設型の老人ホームです。
高齢になったからといって自室で過ごすばかりでなく、他者と触れ合うために自室の広さを最小限にして逆に共用空間を広くしています、
地域開放型のカフェや生涯学習教室の設置、庭に畑、コンパクトにしてバリアフリーの同線と自立を支援するコンセプトが、入所者の高い評価を受けているそうです。
2015年度グッドデザイン賞を受賞しています。
老人ホームに代表される医療や福祉施設に欠かせないものは、やはりそこで暮らす人の「快適さ」ではないでしょうか。
その快適さのためには、ただバリアフリーでは終わらせない生活空間を、如何にして創造できるかが大事となってきます。
入所者の心までなごませるようなデザインをほどこされた老人ホームは、入所する本人、そして家族にも安心感を感じさせることが可能なのです。
そんなデザインに力を入れた老人ホームは、きっとこれからも増えてくることでしょう。