仕事や結婚などで家族が県外で暮らしている場合、家族が住む近くの老人ホームに入居したいと考える方もいるでしょう。
中には、いつでも会いに来てもらえるよう家族が暮らす地域周辺で老人ホームを探す人も多いですが、そもそも県外の老人ホームは利用可能なのでしょうか?
そこで今回は、県外にある老人ホームへの入居は可能かどうか解説してきます。
■県外でも住民票があれば入居できる
結論から述べると県外の老人ホームに入居することは可能ですが、住民票のある市町村のみでしか介護保険が受けられないため、住民票を移す必要があります。
手続きとして重要なのが、転居の際に介護保険の「受給資格証明書」を転入先の市町村への提出することです。
受給資格証明書の提出は、14日を過ぎてしまうと認定の時期が遅れて自己負担で介護サービスを受けることになるので、期日を忘れないようにしましょう。
ただし、住所地特例制度が適用となる老人ホームへ入居する場合には、住民票を移す必要がありません。
住所地特例制度とは、介護施設が多い地域に入居希望者が集中しても、介護保険負担が市町村の財政を圧迫しないために作られた制度です。
各市町村ごとに、厚生労働省によって認定された住所地特例の対象施設が多くあるため、厚生労働省のホームページを確認しておく必要があります。
■ケアマネジャーも変更する
住む場所が変わると、自治体や受けられるサービスも変わるためケアマネジャーの変更も必要になってきます。
これまで担当していたケアマネジャーに引継ぎ書類の作成をお願いすると、新しいケアマネジャーがスムーズにケアプランを作成してくれます。
転入先でケアマネジャーを探す時には、自治体の地域包括支援センターや福祉課などで紹介してもらえるため、早めに相談して決めると良いでしょう。
ただ、これまで受けていた介護保険のサービスが転入先では利用できない可能性もあります。
例えば、24時間体制での介護が受けられなかったり、転居したばかりでは利用できないサービスがあったりするため、実際に利用可能かどうか確認しておかなければなりません。
県外の老人ホームでも、なるべく転居前と同じサービスが受けられるように、新しいケアマネジャーとよく話し合いましょう。
県外の老人ホームを利用する時には、転入先に住民票を移すか、住所地特例に認定された老人ホームを選ぶ必要があります。
各自治体によって介護保険サービスが違うため、県外の老人ホームでも快適に暮らせるようにケアマネジャーと相談しましょう。