現在、老人ホームの中でも特別養護老人ホームは特に入居が難しくなっています。
しかし、実際の老人ホームのベッド稼働率は100%ではないのです。
ではなぜ、入居したい人がいるのに、空室が出てしまうのでしょうか?
■職員を確保できないことで高まる空室率
老人ホームは、国が定めている職員の基準を満たさなければ、100%の受け入れはできません。
介護職に対するイメージの低さから、求人を出してもなかなか人が集まらないというのが現実です。
そのため、老人ホーム内に託児所を作るなど、様々な取り組みを行っているケースが多くなっています。
それでも国の基準を満たす職員数を採用するまでにはかなりの時間がかかってしまいます。
しかし、老人ホームはどんどん増えているので、優秀な人材の奪い合いが行われてしまうこともあるのです。
つまり、介護職員の数と老人ホームの数が合っていないということになるでしょう。
■空室があっても介護度によっては入居できない
特別養護老人ホームに空室があっても、埋まらない理由は他にもあります。
それは、法改正によって要介護度3以上の高齢者のみを受け入れることに決まったからです。
介護度が高ければ高いほど様々な側面での介護が必要になるので、在宅介護は確かに難しいです。
しかし、要介護2の高齢者であっても、体は元気だけど認知症が進行している場合は介護も大変になります。
要介護度3以上の高齢者のみを受け入れることにしたため、ミスマッチが生まれていると言えるのです。
■老人ホームの空室があっても必ず入居できるわけではない
前述したような理由から、空室があっても必ず入居できるわけではないということが分かります。
介護業界は、重要と供給のバランスが取れていないということになるでしょう。
国の政策などによって、より入居が難しくなってしまった高齢者も少なからずいます。
高齢化社会がどんどん進んでいる日本において、職員の採用だけではなく、国の制度をさらに変えていかなければ、老人ホームに関する問題は解決する可能性は低いと言えるでしょう。
この記事を読んでいる方の中にも、家族の老人ホーム入居を検討しているという方はいるでしょう。
要介護度は高くないが、危険度が高いことを理由に入居を希望する家族も少なくありません。
老人ホームの種類によって入居のしやすさなどは変わってくるので、担当のケアマネジャーとよく相談し、要介護者に合った老人ホームを探してみてください。