■施設での葬儀は行えるのか
老人ホームや介護施設では、体調面に不安を感じる高齢者は多く、適切な医療ケアを行っていても、突然施設内で臨終を迎える事は少なくありません。
もしそのような場合、葬式が行えるかの対応は施設によって様々です。
まず、病院へ入院されている場合はその場で医師による確認が行われますが、自宅や施設で亡くなった場合は医師からの診断が必要です。
場合によっては救急車と一緒に警察も訪れ、死亡原因などを調べる事もあります。
病院では安置所が少ないという理由から、診断を終えて約2時間以内に遺体を搬送する必要があり、老人ホームなどでも長時間ご遺体を置く事は出来ません。
なので、多くの施設ではまず親族へ臨終の連絡をし、早めにご遺体を引き取りに来るように連絡が入ります。
しかし、最近の施設では葬儀社と提携をとっている所も多く、葬儀社の紹介や老人ホーム内での家族葬が行われる事も珍しくはありません。
■老人ホームでの葬儀のメリット
一般的に介護を行っている職員は、会社の許可がないとお焼香を上げる事ができないところが多くあります。
そういう傾向に、少なからず不信感を抱くご家族も少なくないそうです。
しかし、老人ホームで葬儀を上げるメリットとしては、勤務中であっても亡くなられた高齢者にお焼香を上げる事ができます。
また、今まで生活を共にしてきた入居者も気軽に参列でき、別れを告げる事ができるのです。
最近では施設内でもお別れの場を提供する必要性を高く見ている所も多く、フラワーベッドで見送る方法も取られています。
フラワーベッドというのは故人のベッドの上にベールをかけたり、故人の周りに花を手向けるといったプランです。
故人にとっても今まで生活をした施設は自宅であり、その生活をしていた居室でのお別れは、施設職員や入居者達がきちんとお別れができる場だと言えるでしょう。
■施設での葬儀の注意点
施設によっては葬儀社を紹介してくれますが、その際はしっかりと説明を聞く事が大切です。
急な臨終だと家族も慌ててしまい、なかなか冷静な判断が取れない事も少なくありません。
そんな状況で葬儀の案内などの説明を受ける事となりますが、なかには高額な葬儀ばかりを紹介されるケースも少なくありません。
家族側とすればすぐに葬儀社を決めたいと思いますが、その葬儀社を利用するかは喪家側にあります。
お世話になった施設にはきちんと挨拶をする事は必要ですが、葬儀や片付けなどにかかる費用についてはしっかり施設の説明をし、喪家側が負担になり過ぎない範囲で判断しましょう。
どちらにしても、葬儀に関してはあらかじめ確認しておく事が大切だと言えます。