皮膚トラブルと聞くと若い人の問題と思われがちですが、老人ホームに入居されている高齢者も皮膚トラブルに悩む方は多いです。
高齢者の肌は想像以上に乾燥しやすく、老人ホームの入居者の中にはかゆみを訴える方も多くいます。
高齢者の皮膚トラブルと老人ホームでの対策法についてご紹介していきます。
■高齢者の肌は乾燥しやすい
高齢者の皮膚はとても薄いので、皮がすぐにポロポロと剥がれおちてしまうほど乾燥しやすいです。
ただ角質層が薄くなるのではなく、肌のキメも荒くなり、ヒビ割れも起きやすくなります。
保水性もなくなり、弾力や柔軟性もなく、水分量は成人よりもかなり低いため、乾燥状態になりやすいのです。
また、老人ホームに入居される高齢者の中にはおむつを常に着用される方も多いでしょう。
そのため、おむつかぶれも起きやすくなります。
軽度では皮膚が赤くなり、自覚症状も少ないです。
中度では赤みが広がり、腫れなどが起きて痛みやかゆみも生じやすく、不快感もあるでしょう。
重症化すると皮膚がただれて出血を伴います。
排泄やおむつ交換、入浴時でも痛みが伴い、痛みにより睡眠が妨害されることもあるため、重症化する前に治療が必要です。
中にはカンジタ細菌の感染によるかぶれもあり、この場合は赤みや腫れと一緒に小さな湿疹、膿や水泡が目立ちます。
■高齢者もスキンケアが大切
乾燥による皮膚トラブルを抑えるためにも、老人ホームによってはスキンケアに徹底しているところが多いです。
毎日保湿クリームを塗って、乾燥から守ります。
老人ホームの場合は入浴が毎日できないため、体を軽く拭いてから朝晩塗ることが多いです。
また、クリームだけではなく、化粧水を全身につけてクリームの伸びを良くすることもあります。
さらに、入浴では保湿剤を使用して肌の乾燥を最低限に抑える工夫をしている老人ホームも多いです。
老人ホームでのスキンケアでも対処できない皮膚トラブルの場合は、ご家族と相談した上で皮膚科の受診を薦めることもあります。
このように、高齢者の肌は乾燥しやすく、そこから様々な皮膚トラブルを招く恐れがあります。
なので、老人ホームの入居者もスキンケアが欠かせませんが、家族が使用しているものは効果が強すぎて、逆に皮膚トラブルを招く可能性があるでしょう。
老人ホームのケアマネージャー、皮膚科の医師と相談した上で適切なケア商品を使ってもらうことが大切です。
また、徹底的にケアをしてもらえるかは老人ホーム次第なので、どのようなケアをしてもらえるか、お願いできるか入居前に相談して確認しておきましょう。