行政はどこまで介入してくれるの?

老人ホームに入居する高齢者は、介護保険制度の導入に伴い年々増加しています。
近年の高齢化社会によって、単身世帯が今後も増え続けていくため高齢者向け住まいとして老人ホームは重要な役割を持っています。
行政では、老人福祉法によって各都道府県に老人ホームを設置することを義務付けされているので老人ホームに対する運営や指導と深く結びつきがあります。
行政では具体的に老人ホームとどのような関わりをもっているのでしょうか。
■介護保険制度を利用して老人ホームに入居する

平成12年に制定された「介護保険制度」は介護は社会によって担うという姿勢のもと取り決められたものです。
これによって40歳以上の方全員が被保険者として加入し、保険料を納めることになります。
そして介護が必要になった際に、費用の一部を支払ってもらい介護サービスを利用できる仕組みになっているのです。
老人ホームは介護保険法の中で高齢者のための特定施設としてのサービスに位置づけられていて、老人ホームを利用する場合は介護保険から支払われる「介護報酬額」が決まっていますが、老人ホームの施設や体制によって金額が違ってきます。
特定施設では、介護を必要とする高齢者の心身の状況によって入浴、食事、排せつ、洗濯、掃除などの生活のためのお世話や機能訓練のお手伝いを行っています。
入居者や入居者の家族からの相談に応じたり、生活を自立できるようなサービスを提供しています。
■高額介護サービス費制度について

介護保険制度は自己負担の限度額が決まっているのですが、この限度額のことを高額介護サービス費といいます。
平成27年8月より自己負担を2割で支払う利用者に対して、重度要介護認定を受けた場合、高額介護サービス費を超えた時の支払いを軽減してくれる制度を設けています。
万が一この限度額を超えた場合は、自治体から通知と申請書が届くようになっているので、限度額を超えてしまったとしても心配はありません。
また、要介護者3人に対して1人のスタッフの指定基準よりも手厚い体制となる「上乗せサービス」や、要介護者の買い物や医療機関への付き添いなどを主とする「横出しサービス」も制定されています。
■自治体の審査によって入所する養護老人ホーム

養護老人ホームは住まい環境や経済的理由などにより家族との生活が困難な高齢者が入所できる施設ですが、費用は入所する方の収入によって違ってきます。
養護老人ホーム被措置者費用徴収基準に基づき条件を満たした場合は入居できる仕組みになっています。
色々な事情を抱えている方や、家族構成など経済上の問題がある高齢者のために市町村福祉課では相談できる環境を整えています。
このように行政は老人ホームの運営や設置に関して厳しく管理しています。
老人ホームに対する指導や監督の調査を実施しながら、老人ホームの管理がより利用者や家族にとって安心して生活できる場を作っているのです。

 

介護施設

 

相談する
お問い合わせ