老人ホームと特別養護老人ホームはどちらも高齢者を対象としている介護施設という部分では同じですが、特別養護老人ホームは誰でも入居できるわけではありません。
どのような入居条件を満たしていれば入居できるのか、こちらでご紹介していきます。
■そもそも特別養護老人ホームとは何?
特別養護老人ホームは、別名「介護老人福祉施設」とも呼ばれています。
社会福祉法人や地方自治体など公的に運営されている介護施設のことで「特養」と呼ばれています。
この特別養護老人ホームは公的な施設であるため、誰でも入居できるように感じますが、実際のところ誰でも入居できるわけではなく、入居の対象がきちんと決められているのが特徴です。
病気や障害によって自宅での生活が困難とされる高齢者が、公的な介護サービスとして入居できるシステムになっています。
寝たきりや認知症など在宅介護が難しい方のために用意されている老人ホームで、低料金の公的施設として人気があり、なかなか入居できないという現実もあるようです。
■特別養護老人ホームの入居方法について
特別養護老人ホームに入居するにあたり、ある条件を満たしていなければ入居することはできません。
入居対象者は、65歳以上で介護認定「要介護3」以上の高齢者になります。
伝染病などの疾患や、長期的に入院が必要な方は入居できません。
これは老人ホームによって条件が異なりますが、市町村など各自治体へ申請する必要があります。
老人福祉法第15条6項の規定に基づいた上で担当者より審査を受けて入所判断を行ってもらいます。
審査結果により、特別養護老人ホームへ入居する必要性の高い高齢者から優先的に入所する仕組みになっています。
■要介護1・要介護2の高齢者でも認められる場合もある
特別養護老人ホームは原則として要介護3以上で65歳以上の高齢者を対象としていますが、要介護1または2の方でも特例があり認められるケースもあります。
・認知症で日常生活が困難で支障をきたす症状が頻繁に出てしまう人
・知的障害や精神障害などを持っており、日常生活において支障をきたすような症状がある人
・虐待などのような心身の安全や安心の確保が必要な状態である人
・単身世帯、または家族の支援を受けることができず地域の介護サービスだけでは不十分である人
以上の条件にあてはまる方は軽度の要介護者であっても入居することは可能になります。
しかし、寝たきりなどの重度の高齢者を優先に入居するため、入居までに数ヵ月から数年も待機しなくてはならない現状問題があります。
料金の安さは有料老人ホームと比べると安くなっていますが、多くの待機者や誰でも入居できるわけではない点などを考えると、特養だけにこだわらず色んな介護施設への入居についても検討してみるべきだと考えられます。